** 少女たち **

  09, 2017 21:59
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「おはよう、綾子。待たせてごめんね。あれっ、やけに重そうなリュックだけど、何が入ってるの?」

 

「おはよう、やっと来たね。千尋が山に登るって言うから、タオルと帽子、虫よけスプレー、水筒、おにぎり、おやつ、カメラ、スケッチブックでしょ…」

 

「やだっ、山じゃなくて丘に行くんだよ。荷物多すぎぃ。丘には外人墓地があって、天使の像があるんだよ。早く見せたいなぁ」

 

「そっかぁ、丘ね。天使の像かぁ。墓地なのに、そこは素敵な所なんだね。千尋が元気になって良かった。その笑顔が見れて私は嬉しいな」

 

「いつも心配かけてごめんね。えっと、確か、綾子の彼は、夏休みの間はおばあちゃんのうちに行ってるんでしょ」

 

「そうなの。彼ったらねぇ…」

 

楽しそうに歩いていく、少女たちの14回目の夏は、今始まったばかりだ。

 

 

                                     

                                      by 杖男

  

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